お久しぶりです、管理人のジョーです。いやはや、寒くなってきましたがまだ日差しは強いように感じますね。
さて、今回はタイトルにあるように広島は宮島水族館に行ってきましたのでご紹介します。

厳島に着いたのは大方昼前でしたかね、桟橋付近は大勢の外国人観光客、修学旅行生でごった返しておりなんとも異様な雰囲気でした。京都や北海道、今回の厳島も然りですがオーバーツーリズムが近年問題化しております。観光業も対策を迫られますが異なる文化や様式を持つ人々に注意喚起となると難しいでしょうね。
そんなことを思いながら神社の方面へ向かうこと数十分、水族館に到着です。久しぶりですね・・・。
実はこの館がみやじまりんなるものに変わってからあまり赴いていないんですよ。私が幼少時行ったときは大きなウミガメの水槽や海獣のプールがあったのですが現在はそれらはありません。

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ミヤジマトンボです。このトンボはこの島の一部の場所でしか発見されていないので希少な種です。
絶滅危惧IA類(CA)となっていて絶滅に極めて近い種がこれに該当します。一見シオカラトンボかと思いますがより腹部が細くなり飛翔能力も低いため区別が出来ます。汽水域を生息地とする本種ですが基本的にトンボの仲間で汽水性のものは殆どいません。ヒヌマイトトンボなどの一部がそうですが、他種間競争を行わないことにメリットがあります。しかし、汽水という特異な環境は少しの変化が大きく今後を左右します。保全団体の調査による甲斐があり少し持ち直してはいますが予断は許さない状況には変わりありません。
そういえば、ミトコンドリアDNAで中国南部の個体と本種は同一だと以前見ましたね。

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少し行くと浅海などの展示コーナーです。この水族館では様々なアプローチより展示を行っています。生物の衣食住に主点を置き、身を隠すイソギンチャクなどと共生するクマノミや、食べるときの行動や口の形態を見るオニカマスなどや、蛸壺のマアナゴなど能動的展示には少し欠ける部分はあるかと思いますが、物語を瀬戸内海という内海に展開するのは地域ならではの手法だと感じました。
上記画像はニシキハゼです。青と黄色の模様が綺麗ですね。やはりスズキ目は繁栄しておりますなぁ。

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いつの時代も持ちつ持たれつ、親切心というのはあるものですがこれは魚類にも当てはまります。アカシマシラヒゲエビがニセゴイシウツボの口内を掃除しているところです。生物にとってお互いの利益に なることは重要なことで、この場合はウツボは寄生虫や汚れを取ってもらい、エビは食糧にありつけるという相利共生にあるわけです。ただ、両者の利益ではなく片方の利益にしかならないものもあります。
例えば、ジンベエザメに付くコバンザメ、ナマコなどの肛門に入り込むカクレウオといったように片利共生となる場合もあるんです。

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暫く行くと希少種と里山の生き物と題した展示室がありました。これは中国山脈の付近にある里山の原風景をそのまま展開したようなもので、アユモドキやオヤニラミをはじめ、モリアオガエルの産卵模型やイシガメなど童心をくすぐるものもあり感慨深くなりましたね。水族館での里山展示モデルでカブトムシを見るとは・・・。雑木林の代表種ですからね。本種は山深い場所より開けた広葉樹林、人為的な手の行き届く里山に多く生息しています。ただ、幼虫をむき出しにした状態が長いのが心配です。


その後タコクラゲやタチウオを見て、スナメリやトドという有名な生物が目に入りました。写真があまりよくないのでここでは失礼しますね。
スナメリは鯨の仲間では首の可動域が広いのでよく動きます。地方によって呼び名が変わるので面白いと思います。この種も生息数が減少しているので今後の保全活動を気にする必要があります。

その後、少し土産屋を見て帰路に着きました。以前、友人と昆虫調査に来たとき以来の厳島でしたのでどこか懐かしいものを感じました。博物館類似、相当施設を見て回るのは見解を深めるだけでなく現状を知り懐疑することが出来るので問題が一つ一つ整理できます。では、この辺で・・・。